□日本シャーロック・ホームズ大賞について

1.大賞設立の経緯
 現在の日本シャーロック・ホームズ大賞(以下JSH大賞)は、1984年に、それまであった「延原謙賞」、「長沼弘毅賞」という二つの賞を統合して設立されたもので、1985年に延原賞の回数を引き継いで第7回JSH大賞としてスタートしました。1984年まであった各賞の概要と特徴は、次のとおりです。

【延原賞】(1979〜1984)
 聖典の翻訳・紹介に貢献した故・延原謙を記念したもので、1979年3月に開かれた全国大会で第1回授与式を行った。延原克子夫人の寄付と協賛出版社及びJSHCからの基金をもとに運営。選考委員会が年1回選出し、春の大会で賞状及び副賞記念品を贈る。対象は延原謙が主に翻訳で貢献したことから、ホームズ関連翻訳作品全般とされた。
【長沼賞】(1980〜1984)
 1980年からスタートした賞で、世界的に知られるシャーロッキアンの故・長沼弘毅を記念したもの。翻訳を除く出版物及びTV、映画、演劇などが対象。こちらはJSHCの基金により運営されたが、延原賞と同じく選考委員会が作品を選出し、春の大会で授与した。
【JSHC奨励賞】(1979〜1984)
 延原・長沼両賞の受賞作は、賞の趣旨からいって商業出版物になることが多い。そこで、JSHC会員の地道な研究や私家版の出版などに授与するため、設定された。この賞は「奨励賞」として現在も引き継がれている。

2.現在のJSH大賞
 上記の延原・長沼両賞を統合し、選考方法などを改訂したものが、現在のJSH大賞です。この賞から正式に、JSHCの名において授与されることとなりました。ただし、ホームズ関連翻訳作品全般を対象とした延原賞は、現在も存続しています。JSH大賞が翻訳者に贈られる場合には、併せて延原賞を授賞することもできることとしています。
 JSH大賞は、JSHC会員全員に投票権があり、その集計結果をもとに選考されるかたちになっています。集計結果はもちろん重視されますが、最終決定は委員会に委ねられます。また、賞の資金は外部の寄付に頼らず、JSHCの基金のみで運営しています。
 現在のJSH大賞に関する詳細は、以下のとおりです。
◆対象作品……シャーロック・ホームズ及びコナン・ドイルに関する優れた作品及びそれらに対する一般の理解を深め、その魅力を世に広く知らしめ、研究の向上に寄与した作品あるいは発表者。授賞の対象となるものには、作品とその創作者だけでなく、出版社や演者など発表者の側も含まれる。
 発表形式は問わず、毎年11月1日から翌年の10月31日までに、日本国内で発表された出版物全体のほか、映像メディア、音声メディアなどすべてのジャンルの作品。
 上記の作品に対し、年1回、春の全国大会において授与する。

●受賞作品・受賞者リスト

●第45回日本シャーロック・ホームズ大賞
●第44回日本シャーロック・ホームズ大賞
●第43回日本シャーロック・ホームズ大賞
●第42回日本シャーロック・ホームズ大賞
●第41回日本シャーロック・ホームズ大賞
●第40回日本シャーロック・ホームズ大賞
●第39回日本シャーロック・ホームズ大賞
●第38回日本シャーロック・ホームズ大賞
●第37回日本シャーロック・ホームズ大賞(奨励賞)