ホームズの世界
The World of Holmes 
No.41



Nakashima, Hiroko “A Guide to Sherlock Holmes’s London” 中島ひろ子「ホームズのロンドン案内」 WH No.41 (2018),2-8p
A collection of photos of the places that connect to Sherlock Holmes in London taken by the author.
正典のロンドン所縁の場所。地下鉄ベイカー街駅、聖バーソロミュー病院・ヘンリー8世門、タワー・ブリッジ、ビッグ・ベン、アビイハウス、ヨーク記念碑、スコットランド・ヤード、ペル・メル、コックス銀行、ロンドン大学医学部、モンタギュー街などを、写真で紹介する。
  Travel, United Kingdom


Uekusa, Yasuhiro “A Guide to Sherlock Holmes’s London” 植草康浩「ホームズのロンドン案内」 WH No.41 (2018)14-21p
The author introduces the places of Sherlockian interests in London with photos, including the spots around Baker Street, Euston Square Street, Charing Cross, Piccadilly Circus and Tottenham Court Road.
今のロンドンを写真と解説で巡る。ベイカー街駅の周辺、ユーストン・スクウェア駅の周辺、聖バーソロミュー病院、セントポール大聖堂、ロンドン塔、タワー・ブリッジ、ビッグ・ベン、チャリングクロス駅の周辺、ピカデリー・サーカス周辺、トッテナム・コート・ロード周辺をピックアップして紹介する。
  Travel, United Kingdom


Yoshida, Tomoya “Visiting the Places of Sherlock Holmes on the First London Visit” 吉田友哉「初めてのロンドンでホームズゆかりの地を巡る」 WH No.41 (2018),22-35p
The author explains Sherlockian places of interests for the people who first visit London. The guide starts from Baker Street, going to Sherlock Holmes Pub via the Strand and Trafalgar Square, and ends up at the Barts.
まだロンドンに行ったことの無い会員の為のガイド。ベイカー街、リアル221B、BBC「SHERLOCK」のベイカー街であるノース・ガワー街、オックスフォード街、リージェント街、ピカデリー・サーカス、ヘイマーケット、ペル・メル、トラファルガー・スクウェア、ノーサンバーランド通り、などのホームズゆかりの地とその周辺の訪問すべきポイントを詳細に紹介する。
  Travel, United Kingdom


Wakabayashi, Takahiko ""The Empty House" Tour" 若林孝彦「「空き家の冒険」ツアー」 WH No.41 (2018),36-48p
A report on the walking tour the author conducted during the official JSHC trip to London in 2017. The tour participants visited the places that related to EMPT including Kensington, Cavendish Square, Wigmore Street, Langham Hotel, The Wallace Collection and Baker Street.
2017年5月18日から23日まで、JSHC有志によるクラブ公認のロンドン団体旅行で行われた「空き家の冒険」ツアーについて。ケンジントン、ハイド・パークからパークレーン、キャベンディッシュ・スクウェア周辺、ウィグモア街、ランガム・ホテル、ウォーレス・コレクション、ベイカー街へと至る、正典に登場する場所を巡ったツアーのレポート。
  Travel, United Kingdom

.

Nakamura, Hideki “Sherlock Holmes's View of Justice” 中村秀樹「シャーロック・ホームズの正義観 いくつかの短編を題材として」 WH No.41 (2018),50-59p
The author discusses how Sherlock Holmes thought about justice by looking into his activities in CHAS and ABBE, and indicates Holmes’s own splendid sense of justice remains in our mind.
私立探偵は、正義の味方であるのが、推理小説の基本線であるとして「犯人は二人」「アベ農園」から、公正義に対するホームズの正義観について検証し、どこまでも独自の正義観とあの勇敢さ、寛容さの中に生きるイギリスの名探偵が、我々の心の中に残るのだろうと推測する。
    CHAS, ABBE, , Sherlock Holmes-Personality


Nagahama, Masato & Akeyama, Ichiro “Rugby Lecture for Sherlockians” 長浜真人/明山一郎「シャーロッキアンのためのラグビー講座 「スリー・クオーターの失踪」」 WH No.41 (2018),60-71p
The authors explain basic terms and rules of the rugby, and discuss the translated terms in MISS such as twenty-five line, description of the action of scrum half and the exact position name of the “Three-quarter”.
正典「スリー・クオーターの失踪」では、様々なラグビー用語が登場する。故に、この作品をより深く理解する為には、多少なりともラグビーの知識があった方が良い、と著者は指摘する。それは翻訳に於いても同様であるとして、新潮文庫の延原謙訳についてラグビーファンが違和感を覚える表現を検討の結果、ストーントンはスリー・クオーターの中でも『右ウイング』だと結論づけたが、原文を調べたところ延原訳では『右ウイング』の言葉が欠落していたことを発見する。
  MISS


Ohta, Takashi “The Origin of British Empiricism and Holmes” 太田隆「イギリス経験論の起源とホームズ」 WH No.41 (2018),72-84p
The author overviews the origin and developments of British empiricism and concludes its tradition fits with the character of Sherlock Holmes who always observes and experiments.
著者はホームズの観察と実験の方法は、イギリス哲学の伝統、むしろイギリス人の国民哲学に古来存在しているのである、と指摘する。正典のみではなくホームズの思想背景とその歴史から、ホームズがイギリス経験論に連なる証左の、そのイギリス経験論の起源を探求し、考察する。
    General and Miscellaneous


Nitta, Kunihiko “Spy Story “Sherlock Holmes”” 新田邦彦「スパイ・ストーリー シャーロック・ホームズ」 WH No.41 (2018),85-90p
The author analyzes NAVA, SECO, BRUC, LAST as spy stories, and concludes these stories have elements that are characteristic to spy stories such as pessimistic background and human nature of spies.
冒険小説からの伝統の活劇型に対して、「海軍条約文書事件」「第二の汚点」「ブルース=パーティントン設計図」「最後の挨拶」4作品を嚆矢として多くのスパイ・ストーリーは、ペシミスティックな背景やスパイの人間性に視点を当てていることを指摘する。本来スパイ小説自体マイナスの冒険小説であり、悪の戦いである。ホームズの4つのスパイ・ストーリーを始めとしたスパイ小説は、冷戦が終わった現在でもその人間的リアルさから、脈々と生き続けている。と結論する。
    NAVA, SECO, BRUC, LAST


Suzuki, Toshio “The Right and Left Problem in Paget's Illustrations” 鈴木利男「パジェットのイラストにおける右左の問題」 WH No.41 (2018),91-103p
The author picks up five Paget's illustrations that show Holmes and Watson, and studies how they are positioned in detail. He also discusses the issue that the illustration in HOUN in the U.K. edition was reversed in the U.S. edition.
シドニー・エドワード・パジェット(Sidney Edward Paget,1860-1908)の描いた356点のイラストの中から、ホームズとワトスンが二人連れで歩いている場面2点と、鉄道の客車で座っている場面3点の合計5点を採り上げ、右か左の問題を論じる。散歩や追跡では、左の歩道を歩いたことがわかるものと、南下した歩道の左右が判断出来ないものがあること。また、列車の客車内でホームズが座る座席は、いつも進行方向を向いた右側の窓際の席と推測出来るものがあることを指摘する。その中で「バスカヴィル家の犬」のリージェント・ストリートのイラストが、同じ絵柄で左右2枚存在していること、パジェットのSPのサインが無いことを挙げ、その理由を様々な角度から検証する。
    Art


Endo, Takahiko “The Adventure Around the Birthday of John H. Watson” 遠藤尚彦「ジョン・H・ワトスンの誕生日を巡る冒険」 WH No.41 (2018),108-118p
The author verifies two theories about the birthday of Dr. Watson, Kimball's theory of July 7, and Baring-Gould's theory of August 7. He points out Baring-Gould made August 7 as Watson’s birthday as it was his own birthday.
ジョン・H・ワトスンの誕生日について。7月7日説、8月7日説の2つの説を検証する。
著者の詳細な調査の結果。7月7日説については「四つの署名」第1章で、『7月7日の昼間からワトスンはボーヌ・ワインを飲んでいた』ことが根拠として挙げられる。8月7日説についてはBaring-Gouldが1962年の自著“Biography”の中で、単に自分の誕生日だからという理由で、ワトスンの誕生日にしたのではないか、と結論する。
    Dr. Watson-General and Miscellaneous


Yoshida, Takehiko “Questions on “A Study in Scarlet”” 吉田建彦「「緋色の研究」への疑問点」 WH No.41 (2018),119-126p
The author points out the four questions for the STUD story, and presents his revisions: 1.In the final stage, Holmes would accompany Gregson and Lestrade to arrest Jefferson Hope it is unnatural that Hope went to the place he knows to be arrested. 2. Holmes would share the contents of the response he received from Cleveland Police to Gregson. 3. The old woman who picked up the ring Hope left at the murder scene was not Hope’s friend but Hope himself in disguise. 4. Hope played a feeble-minded man, not a drunken man when he came back the murder scene to look for the ring.
「緋色の研究」の筋書き上の4つの疑問点を挙げ、それらの不自然さを払拭する提案を示す。①ジェファソン・ホープが逮捕されることが分かっているホームズの住居へ出かけていく最終段階について。この部分を、グレグスンとレストレードに真相を打ち明け、警察に同行してホープ逮捕に行くとする。②ドレッパの名刺にあったアメリカ合衆国クリーブランドの警察への電報による照会結果について。この部分を、グレグスンがレストレードにも情報を伝え、同内容の返信をホームズも受信したが、そのタイミングは老婆に指輪を渡して取り逃がした後とする。③ドレッパ殺害現場に置き忘れた指輪をもらいに訪ねる老婆について。この部分は、身長は隠しようがないが髪を白く染め、前かがみのヨタヨタ初老男に変装。またホープの身長を5.2フィート程度(170cm)に原著を変更する。④ドレッパ殺害現場に置き忘れた結婚指輪を取り戻しに引き返したホープが、酔っ払いに化けて見逃してもらうことについて。この部分を、ホープは酔っ払いの演技ではなく、やや知能が低い男が、コロンバインの新流行歌かなにかを唄っている、とする。
    STUD


Watanabe, Mineki “On Clock Towers” 渡辺峯樹「時計塔について」 WH No.41 (2018),127-137p
The author studies about five clock towers that appear in the Canon and identifies their actual models: The Parish Church of St. Mary and St. Nicolas in Leatherhead in SPEC, All Saints’ Church in Upper Norwood in SIGN, St. Peter’s Church in Woking in NAVA, St. Swithun's Church in East Grinsted in BLAC, St. Stephen's Anglican Church in BRUC. Big Ben that appears in LADY is also discussed.
「まだらの紐」で聞いた教会の鐘は、The Parish Church of St.Mary and St.Nicolas教会、「四つの署名」は、アッパー・ノーウッドのAll Saints’Church、「海軍条約文書」は、ウォーキングのSt.Peter’s教会、「ブラック・ピーター」は、East Grinsteadの中心部にあるSt.Swithun’s教会、「ブルース・パーティントン型設計書」は、グロスター・ロードにあるSt.Stephen’s教会をそれぞれ候補に挙げる。「レディー・フランシス・カーファックスの失踪」では、ロンドン国会議事堂のビッグ・ベンと明記されている。以上6点の正典に登場する、時計塔の建つ場所から鐘の音が聞こえる場所、時計塔を所有する教会のあらましを考察する。
    BLAC, NAVA, SIGN, SPEC, General and Miscellaneous


Takeda, Masao “Why Did Dr. Kureta Go to Matsudo Horse Racing Course? 竹田正雄「呉田博士はなぜ松戸競馬場に行ったのか」 WH No.41 (2018),145-156p
The author shows five questionable points in “Crime of the Fine Horse”, an adaptation of SILV by Mitsugi, Shun'ei published in 1912 in Japan, and indicates Mitsugi should have the scandal that occurred in Matsudo horse racing course in mind.
三津木春影の呉田博士シリーズのホームズ譚翻案「名馬の犯罪」について。筆者は初めて読んだ時にいくつかの疑問を持ち、①なぜネタばれとなるような題名にしたのか。②なぜ松戸競馬場なのだろうか。③なぜ競馬や競馬関係者を原作以上に悪く書いているのか。④登場人物の名前が途中で変わっているのはなぜか。⑤原作にない余計な推理が付け加えられているのはなぜか。三津木が「名馬の犯罪」を翻案した際に頭をよぎったのは、数年前に松戸競馬場で話題になった東京朝日新聞の記事ではないか、と指摘する。記事の内容は寺内陸軍大臣が馬券を買うべからず、と訓示したのに、予備役だけでなく現役軍人までが松戸競馬場に出入りし、馬券を購入していた事件。本当に悪いのは馬ではないとの思いから「名馬の犯罪」という題名を付け、事件の真相が競馬関係者の自作自演であることを強調するために加筆されたのが、最後の頓珍漢な推理だと考察する。
    SILV, Translating and Interpreting


Takahashi, Toshiko “Bande Dessinee of Sherlock Holmes Part2” 高橋登志子「シャーロック・ホームズのバンドデシネ 第2回 動物、ご当地ホームズ、女性と子供」 WH No.41 (2018),157-162p
The author introduces Sherlock Holmes Bande Dessinee, comic stories in France and Belgium with animals, women and local mascots as Holmes.
今回は、動物が主人公のものSherlock Fox(シャーロック・フォックス・狐)、ご当地ホームズものSherlock Holmes et la Conspiration de Barcelone(シャーロック・ホームズとバルセロナの陰謀)、Sherlock Holmes et le mystere du Haut Koenigsbourg(シャーロック・ホームズとオー・クニクスブール城の秘密)、女性が主人公のものASPIC(アスピック)、子供が主人公のものLes Quatre de Baker Street(ベイカー街の4人)、以上5点を紹介する。
    Parodies and Pastiches Europe-France,


Ishida, Seiki “The Colonel Problem” 石田盛己「The Colonel Problem“大佐”という日本語訳は誤りかもしれない」 WH No.41 (2018),163-173p
The author points out the word Colonel does not always mean Japanese “Taisa”, as Lieutenant Colonel (Chusa in Japanese) is often abbreviated as Colonel, and also Colonel as the official position such as Colonel of Regiment exists.
シャーロック・ホームズシリーズには何人もの大佐が登場する。大佐を英語で言うとColonelだが、英国陸軍には複数のColonelという地位があり、それが必ずしも“大佐”ではない、ということを論証する。英国陸軍の将校の階級ではColonel(大佐)、Lieutenant Colonel(中佐)、Major(少佐)と表されるが、著者は英語のLieutenant Colonelは、話し言葉においてはただのColonelと略される慣習があることを指摘し、またColonel in Chief とColonel of the Regimentという二つの名誉職のColonelも紹介する。以上から、英国陸軍には4種類のColonelがいるので、そのまま大佐と訳すのは慎重であるべきだと結論する。
    Army, Translating and Interpreting


Shimizu, Takeshi “The 70th Anniversary of the Tokyo Baritsu Chapter” 清水健「東京バリツ支部70周年 70th Anniversary of Tokyo Baritsu Chapter」 WH No.41 (2018),174-184p
The author reports the result of his study on the Tokyo Baritsu Chapter on its 70th anniversary. Looking into the Chapter members and international circumstances at that time, he assumes the Chapter was a cover of the British intelligence agency.
1948年10月11日にBSI東京バリツ支部の初会合が開かれてから70周年が経つ。日本初のシャーロック・ホームズ同好会だったが、その実態はよく知られていなかった。著者はホームズの世界30号に詳細な研究結果を寄稿し、その後10年間続けてきた研究を纏めた結果、東京バリツ支部の正体は英国情報部の隠れ蓑で、日本を西側陣営に留めて英米仏など西側諸国だけとの単独講和を結ばせる工作を行ったと結論する。
    Sherlockians & Societies


Suzuki, Kayoko “Appendix: London Map of Sherlock Holmes” 鈴木佳代子「付録 ホームズのロンドン地図」 WH No.41 (2018)
The author adds the illustrations about the Canon episodes in the map of London.
ロンドンの地図に、正典のエピソードをイラストで描き加えて作成したもの。
    Maps, United Kingdom



back